示衆(45)「飢來喫飯、睡來合眼」(腹がへったら飯を食い、眠気がきたら目をつぶる、それでいい)「臨済録」より

2023-05-31

古典 臨済録

臨済録原文全文

 

こんにちは、暖淡堂です。

「示衆」の45回目です。

自分たちがこれまで一所懸命に学んできたことや、自分の身分などにすがり続ける僧たちに、臨済はさらに語り続けます。

そんなものは、私は認めない、と。



臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。 

「喝!!」の声が戦乱と混沌の世に響いた 臨済の生きた時代


  

大德、莫錯。

諸君、間違えないでくれ。


我且不取爾解經論、我亦不取爾國王大臣、我亦不取爾辯似懸河、我亦不取爾聰明智慧、唯要爾真正見解。

私は君たちが経論を理解したといっても受け付けない、また国王や大臣だなどといっても受け付けない、君たちの弁論が大河のごとく流れたとしても受け付けない、君たちが聡明で知恵者だといってもだめだ、ただ君たちが真正の見解に達することだけを求む。


道流、設解得百本經論、不如一箇無事底阿師。

諸君、たとえ百本の経論を理解したとしても、ただ平穏無事に過ごすなんでもない僧に及ばない。


爾解得、即輕蔑他人。

君たちがなにかを理解したと思ったら、すぐに他人を軽蔑する。


勝負修羅、人我無明、長地獄業。

修羅と勝負しようとし、人も我も無明のまま、地獄業をいつまでも作り続ける。


如善星比丘、解十二分教、生身陷地獄、大地不容。

善星比丘のごときも、十二分教を理解したが、生身のまま地獄に落ち、大地には、いるべき場所が得られなかった。


不如無事休歇去。

無駄なことはやめてしまえ。


飢來喫飯、睡來合眼。

腹がへったら飯を食い、眠気がきたら目をつぶる、それでいい。


愚人笑我、智乃知焉。

愚かなものは私を笑うが、智者はすぐにわかってくれる。


道流、莫向文字中求。

諸君、経典の文字の中に答えを求めるのはやめることだ。


心動疲勞、吸冷氣無益。

心を動かせば疲労するし、冷たい空気を吸って経を読んでも無益なだけだ。


不如一念緣起無生、超出三乘權學菩薩。

一念をもって縁起の世界に生まれ出るものなどないと見切り、三乗の方便を学ぶ菩薩たちをさっさと飛び越えるよりよいことはない。



 

自分が何かを理解したと思ったら、すぐにその内容を知らない人たちを軽蔑し始める。

たくさんある経典を覚えたり、高い身分となったり、人を説教する言葉が豊富であったり。

それで他の人との違いが生まれたと思ってしまう。

しかし、それでも結局は地獄業を作り続けることになるのだ。

なにもしないのがマシだ。

腹が減ったら飯を食う、眠気がきたら眠ってしまう。

それでいいのだ。

ことさらなことなど、わざわざしないでいい。

そう臨済は言います。


*****


「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。

 

臨済録原文全文リンク

 

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