行錄(18)「老僧祇與麼」(老僧はただこんなものだ)「臨済録」より

2023-07-20

古典 臨済録

臨済録原文全文

 

こんにちは、暖淡堂です。

「行錄」の18回目です。

臨済は象田のもとを訪れます。

そこでまた短い言葉のやり取りをします。

それはどのようなものになったでしょうか。



臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。 

「喝!!」の声が戦乱と混沌の世に響いた 臨済の生きた時代


  

到象田。

象田和尚のところに至った。


師問、不凡不聖、請師速道。

師は問うた、凡でもなく聖でもなく、肝心のところを一言で言ってください、と。


田云、老僧祇與麼。

象田和尚が言った、老僧はただこんなものだ、と。


師便喝云、許多禿子、在這裡覓什麼碗。

師はそこで一喝して言った、多くの修行僧どもは、ここでどんな食い物を求めているのか、と。


 

臨済は凡でもなく聖でもないところを象田に尋ねます。

それに対し象田は、まあ自分は見たままの、このままのものだよ、と答えます。

臨済は一喝して、ここに集まっている僧たちは、象田から何を学ぼうとしているのか、と言います。

その言葉の意味は、何通りかに解釈できるかと。

ここには学ぶべきものはない。

そのようにも理解できます。

ここで修行している僧たちが求めているものは、まったくのあて違いだ。

象田和尚から学ぶべきは、そんなものではないぞ、もっと別のところにあるぞ。

そう言っている可能性もあります。


*****


「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。

 

臨済録原文全文リンク

 

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