こんにちは、暖淡堂です。
「行錄」の2回目です。
臨済は大愚のところに辿り着き、教えを乞います。
二人はどのようなやり取りをするでしょうか。
臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。
師到大愚。
師は大愚の所に着いた。
大愚問、什麼處來。
大愚が問うた、どこから来たのか、と。
師云、黃檗處來。
師は答えた、黃檗の所から来ました、と。
大愚云、黃檗有何言句。
大愚が言った、黃檗はどんな言葉で教えたのか、と。
師云、某甲三度問佛法的的大意、三度被打。不知某甲有過無過。
師は言った、私は三度、仏法の根本の意を質問し、三度打たれました。私に間違いはあったのでしょうか、と。
大愚云、黃檗與麼老婆、為汝得徹困。更來這裡、問有過無過。
大愚は言った、黃檗はまったく老婆のように親切に教え、汝のために疲労困憊ということか。それなのにお前はここに来てまで、自分に間違いがあったかなどと質問などするのか、と。
師於言下大悟云、元來黃檗佛法無多子。
師は言下に大悟して言った、もともと黃檗の仏法にややこしいことなどなかったのだ、と。
大愚搊住云、這尿床鬼子、適來道有過無過、如今卻道、黃檗佛法無多子。爾見箇什麼道理、速道速道。
大愚は師をつかまえて言った、この小便たれの小僧め、さっきはここへ来て間違いがあったとかなかったとか言っていたのに、今は黃檗の仏法にややこしいことなどなかったなどと言うのか。お前はそれがどんな道理だと見るのか、さあ言え、さあ言え、と。
師於大愚脅下、築三拳。
師は大愚に押さえつけられたが、拳を三度突き込んだ。
大愚托開云、汝師黃檗、非于我事。
大愚は師を突き放して言った、汝の師は黃檗だ、私の知ったことではない、と。
臨済が黄檗に仏法の根本義を尋ねたところ、黄檗はただ棒で打っただけでした。
それを大愚に話したところ、大愚は、黄檗は老婆のような親切心で教えているのだ、と説明します。
その言葉を聞いたとたんに、臨済は大悟します。
このときから、臨済は自身の禅風を発展させるようになります。
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「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。
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