こんにちは、暖淡堂です。
「行錄」の7回目です。
臨済が僧堂の前に座っています。
そこに黄檗が来ました。
今回はどのようなやり取りが行われるでしょうか。
臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。
師一日、在僧堂前坐。
師はある日、僧堂の前に座っていた。
見黃檗來、便閉卻目。
そこへ黃檗が来るのを見て、目を閉じた。
黃檗乃作怖勢、便歸方丈。
黃檗はそれを恐れるようにして、すぐに方丈に帰って行った。
師隨至方丈禮謝。
師はその後に従い方丈で拝礼した。
首座在黃檗處侍立。
首座が黃檗のそばに立っていた。
黃檗云、此僧雖是後生、卻知有此事。
黃檗は言った、この僧はまだ若いといえど、よく道理を知っている、と。
首座云、老和尚腳跟不點地、卻證據箇後生。
首座が言った、老和尚は足が地をしっかりと踏んでいないままで、この若輩を認めてしまうのですね、と。
黃檗自於口上打一摑。
黃檗は自ら口の上を拳で叩いた。
首座云、知即得。
首座が言った、それを知っているならまあいいでしょう、と。
臨済は、黄檗が来たのに気づいて、目を閉じました。
その様子に黄檗は恐れをなしたようにして、方丈に帰ります。
黄檗の後について方丈に行った臨済は、黄檗に礼拝します。
自分を認めてくれた黄檗に感謝を示しているようです。
黄檗はまだ若い臨済の資質を認めていました。
そのような黄檗と臨済の振る舞いをみて、近くにいた首座は言います。
二人ともまだまだ。
しかしそれをわかっているのならば、まあいいでしょうと。
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「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。
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