こんにちは、暖淡堂です。
「行錄」の8回目です。
ここでも黄檗は臨済と首座との二人を相手にしています。
どのようなやり取りをするのでしょうか。
臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。
師在堂中睡。
師が堂中で居眠りをしていた。
黃檗下來見、以拄杖打板頭一下。
黃檗が来てそれを見て、拄杖で板頭をひと打ちして鳴らした。
師舉頭、見是黃檗、卻睡。
師は頭を上げ、それが黃檗であることがわかると、居眠りに戻った。
黃檗又打板頭一下、卻往上間、見首座坐禪、乃云、下間後生卻坐禪、汝這裡妄想作什麼。
黃檗は板頭をもう一度打って、上の間に行くと、首座が坐禅していたので言った、下の間で若いものが坐禅していたぞ、汝はここで妄想しているとはなんてことだ、と。
首座云、這老漢作什麼。
首座が言った、この老人はなにをほざくのか、と。
黃檗打板頭一下、便出去。
黃檗は板頭をひと打ちすると、僧堂を出て行った。
後、溈山問仰山、黃檗入僧堂、意作麼生。
後、溈山が仰山に問うた、黃檗が僧堂に入ったときのこと、その意はどこにあるのだろうか、と。
仰山云、兩彩一賽。
仰山は答えた、一度の勝負で二度勝ちでしょう、と。
臨済は僧堂で居眠りをしています。
一方の首座は僧堂で坐禅を組んでいました。
そのどちらもが、黄檗を相手にして動じる素振りを見せません。
後に、仰山が言います。
この場面では、二度の勝ち目が出ている、と。
それはどのように解釈したらいい言葉でしょうか。
黄檗は二人の良き後継者を得た。
そのようにも言っているように思えます。
*****
「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。
新品価格 |
0 件のコメント:
コメントを投稿