こんにちは、暖淡堂です。
「十八史略卷一」の2回目です。
易との関わりの深い太昊伏羲氏と女媧氏の部分になります。
この二人の王の姿に関しては、以下の記事もご参照ください。
十八史略(全卷)目次は以下のリンクからご確認ください。
三皇
太昊伏羲氏
〔太昊伏羲氏〕風姓。代燧人氏而王。蛇身人首、始畫八卦。造書契、以代結縄之政。制稼娶、以儷皮爲禮。結網罟、敎佃漁。養犠牲、以庖廚。故曰庖犠。有龍瑞。以龍紀官、號龍師。木德王。都於陳。
庖犠氏崩、〔女媧氏〕立。亦風姓、木德王。始作笙簧。諸侯有共工氏。與祝融戦、不戦而怒。乃頭触不周山、崩。天柱折、地維缺。女媧乃錬五色石以補天、断鰲足以立四極、聚蘆灰以止滔水。於是地平天成、不改舊物。女媧氏歿、有共工氏、太庭氏、柏皇氏、中央氏、歴陸氏、驪連氏、赫胥氏、尊盧氏、混沌氏、昊英氏、朱襄氏、葛天氏、陰康氏、無懐氏。風姓相承者十五世。
〔太昊伏羲氏〕太昊伏羲氏の姓は風であった。燧人氏に代わって王となった。身体が蛇で首が人という姿をしていて、始めに八卦を書いたのが伏羲氏だった。
文字を書いて約束を記すようにし、それまでの縄の結び目で約束の証とするやり方の代わりとした。結婚の制度を定め、一対の鹿の皮を男女が取り交わして結納の礼物とした。
網を編んで、それで獣や魚を獲ることを人々に教えた。神に供える生贄の動物を養い、それを料理して祀った。だから伏羲氏を庖犠(「庖」は料理場)ともいう。
伏羲氏の頃、黄河から龍が現れるという瑞兆があった。それで伏羲氏のもとで働く官職には龍の文字をつけ、官職を取りまとめる者を龍師と呼んだ。伏羲氏は木徳の王。都を陳に置いた。
庖犠(伏羲氏)が崩ずると、女媧氏が王となった。女媧氏もまた風姓で、木徳の王である。はじめて笙簧(楽器の笙)を作った。
王に使える諸侯の中に共工氏がいた。共工氏は祝融と戦い、勝つことができずに怒り、頭を不周山に触れさせて、崩してしまった。そのとき天を支える柱が折れ、地をつなぎ止める維(つな)が切れた。
そこで女媧氏は五色の石を練り、それで天の破れを補い、鰲(大亀)の足を切って、それを四方の地の果てに立てて柱とし、蘆の灰を集めて、それで洪水を収めた。それにより地は平らに安定し、天は支えられ、世の中がもとの通りになった。
女媧氏が歿すると、共工氏、太庭氏、柏皇氏、中央氏、歴陸氏、驪連氏、赫胥氏、尊盧氏、混沌氏、昊英氏、朱襄氏、葛天氏、陰康氏、無懐氏などが王となった。風姓の王を継ぐ者が十五世続いた。
三皇は、太昊伏羲氏、炎帝神農氏、黄帝軒轅氏の三氏。
それぞれ次回以降に紹介します。
女媧氏は、時代が下ると、女帝であるという解釈をされるようになっていきます。
伏羲氏と夫婦であるともされています。
ちなみに、史記の記述(後代の人が追記した部分)によると、共工氏は女媧氏の後に王になろうとして知謀を巡らせて勢力を拡大した一人だったようです。
女媧氏に力を示そうとして洪水を起こしましたが、祝融氏が共工氏と戦い、これを鎮めたとされています。
さらに女媧氏が世の中を平定したということのようです。
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