示衆(28)「向裡向外、逢著便殺」(内に向かい外に向かい、そこで出会うものがあればすぐに殺せ)「臨済録」より

2023-05-09

古典 臨済録

 

こんにちは、暖淡堂です。

「示衆」の28回目です。

臨済録の中の言葉で、よく引用されるものがあります。

「仏に会ったら仏を殺せ」などです。

これはどのような文脈で出てくるものでしょうか。



臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。 

「喝!!」の声が戦乱と混沌の世に響いた 臨済の生きた時代


  

道流、出家兒且要學道。

諸君、出家した者にはなによりも道を学ぶことが必要である。


祇如山僧、往日曾向毘尼中留心、亦曾於經論尋討。

私はかつて、毘尼(戒律)に心をとどめ、また経論を探求した。


後方知是濟世藥、表顯之說、遂乃一時拋卻、即訪道參禪。

その後、これらは世間を渡るための方便か、商売のための看板のようなものと知り、これらをいっぺんに捨て去り、参禅の道に入った。


後遇大善知識、方乃道眼分明、始識得天下老和尚、知其邪正。

そこで大善知識(黄檗)にめぐりあい、分明な悟りを得て、それから世の老和尚たちの正邪がわかるようになった。


不是娘生下便會、還是體究練磨、一朝自省。

これはただ母親から生まれたままで会得したものではない、自ら体究練磨の後、一朝にして悟ったのだ。


道流、爾欲得如法見解、但莫受人惑。

諸君、君たちが仏法を理解しようと思うのなら、他人に惑わされてはいけない。


向裡向外、逢著便殺。

内に向かい外に向かい、そこで出会うものがあればすぐに殺せ。


逢佛殺佛、逢祖殺祖、逢羅漢殺羅漢、逢父母殺父母、逢親眷殺親眷、始得解脫、不與物拘、透脫自在。

仏に会ったら仏を殺せ、祖師に会ったら祖師を殺せ、羅漢に会ったら羅漢を殺せ、父母に会ったら父母を殺せ、眷属に会ったら眷属を殺せ、そうすることで初めて解脱を得、ものに囚われることなく、自由自在に突き抜けた生き方ができるのだ。


 

臨済は道を学ぶことと善知識との出会いは大切だと言います。

しかし、それはそれぞれが真性のものでなければいけません。

まず自分自身を信じること。

そして、なによりも周囲に惑わされてはいけないのです。

自分の内側や外側に立ち現れるものはすべて消し去り、その影響を受けないようにするのが肝要。

仏も、羅漢も、父母も、親類縁者も、すべて自分自身を確立するための障害になります。

それらを取り去るために「仏に会ったら仏を殺せ…」と臨済は言います。


*****


「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。

 

臨済録原文全文リンク

 

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