こんにちは、暖淡堂です。
「行錄」の13回目です。
臨済は行脚の途中で龍光のもとを訪れました。
龍光はちょうど僧堂で説法をしています。
そこに紛れ込んだ臨済は、龍光の前まで進み出て問います。
それはどのようなやり取りを生んだでしょうか。
臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。
師行腳時、到龍光。
師が行脚していたとき、龍光のもとに至った。
光上堂。
龍光は説法していた。
師出問云、不展鋒鋩、如何得勝。
師が進み出て問うて言った、切先を交えることなく、どのようにして勝ちを得られるでしょうか、と。
光據坐。
龍光は座り直した。
師云、大善知識、豈無方便。
師は言った、大善知識、何か方便はありませんか、と。
光瞪目云、嗄。
龍光は目を見張って声を放った、嗄(さ)、と。
師以手指云、這老漢、今日敗闕也。
師は指差して言った、この老漢、今日は負けだ、と。
剣先を交えることなく勝ちを得るにはどうしたらよいか、どうかその方便を示してほしい。
臨済はそう問います。
それに対して龍光は剣で相手に切り掛かるときのかけ声を発します。
咄嗟の方便ではなく、追い詰められたときに発する一声のように聞こえます。
臨済は遠慮することなく言います。
龍光は負けた、と。
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「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。
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