行錄(16)「作家禪客、宛爾不同」(なるほど一家をなした禅客は、他とは違う)「臨済録」より

2023-07-18

古典 臨済録

臨済録原文全文

 

こんにちは、暖淡堂です。

「行錄」の16回目です。

臨済は襄州の華厳和尚のところを訪れます。

そこで短いやり取りをします。

それはどのようなものになったでしょうか。



臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。 

「喝!!」の声が戦乱と混沌の世に響いた 臨済の生きた時代


  

到襄州華嚴。

襄州の華厳和尚のところに至る。


嚴倚拄杖、作睡勢。

華厳和尚は拄杖にもたれて、居眠りをしている様子だった。


師云、老和尚瞌睡作麼。

師が言った、老和尚、眠りながら何をしているのですか、と。


嚴云、作家禪客、宛爾不同。

華厳和尚が言った、なるほど一家をなした禅客は、他とは違う、と。


師云、侍者、點茶來、與和尚喫。

師は言った、侍者よ、茶をたてて持って来て、和尚に飲ませなさい、と。


嚴乃喚維那、第三位安排這上座。

華厳和尚はそこで維那を呼んで言った、この上座を第三位の座にお連れしなさい、と。


 

とても短いやり取りの中で、華厳和尚と臨済はお互いの力量を計りあっています。

そしてそれぞれを認めているのでしょう。

臨済録の中に出てくる人たちは、懸命に経典を読むことよりも、むしろ居眠りをするような状況を評価しているようです。

そこから私たちはどのようなことを読み取るべきでしょうか。


*****


「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。

 

臨済録原文全文リンク

 

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