行錄(15)「慈云、作麼」(大慈和尚が言った、なにを言っているのだ、と)「臨済録」より

2023-07-17

古典 臨済録

臨済録原文全文

 

こんにちは、暖淡堂です。

「行錄」の15回目です。

臨済は大慈和尚のところを訪ねます。

坐禅をしていた大慈和尚と臨済は、短い詩のようなやり取りをします。

それはどのようなものになったでしょうか。



臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。 

「喝!!」の声が戦乱と混沌の世に響いた 臨済の生きた時代


  

到大慈。

師は大慈和尚のところに至った。


慈在方丈內坐。

大慈和尚は方丈の中で坐禅していた。


師問、端居丈室時如何。

師は問うた、方丈で坐禅しているとはどのようなものでしょうか、と。


慈云、寒松一色千年別、野老拈花萬國春。

大慈和尚は言った、寒松は一色にして千年別なり、野老は拈花して萬國は春、と。


師云、今古永超圓智體、三山鎖斷萬重關。

師は言った、今古永く超ゆ円智の体、三山(蓬莱、方丈、瀛州の三山)鎖断す万重の関、と。


慈便喝。

大慈和尚は一喝した。


師亦喝。

師もまた一喝した。


慈云、作麼。

大慈和尚が言った、なにを言っているのだ、と。


師拂袖便出。

師は袖を払って方丈を出て行った。


 

大慈和尚は臨済に答えて言います。

冬の寒さの中でも松は変わらず、千年経とうとも他のものとは同じではない。

しかし、世の中も春ともなれば、老人は花を手にもて遊ぶのだ。

それは大慈和尚のそのままの現状を言ったものかもしれません。

それに対して臨済は言います。

古くから完成された知恵といわれているものも、何重もの関で閉ざされた高山のようになってはいないか。

そうして、臨済は袖を振るって、大慈和尚のもとを去ります。


*****


「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。

 

臨済録原文全文リンク

 

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