行錄(21)「勝即總勝、負即總負」(勝ったとしたらどちらも勝ち、負けたとしたらどちらも負け)「臨済録」より

2023-07-24

古典 臨済録

臨済録原文全文

 

こんにちは、暖淡堂です。

「行錄」の21回目です。

臨済は金牛和尚を訪ねます。

そこでも短いやり取りをします。

それはどのようなものになったでしょうか。



臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。 

「喝!!」の声が戦乱と混沌の世に響いた 臨済の生きた時代


  

到金牛。

金牛和尚のところに至った。


牛見師來、橫按拄杖、當門踞坐。

金牛和尚は師が来るのを見て、拄杖を横にして構えて、門のところに座り込んだ。


師以手敲拄杖三下、卻歸堂中第一位坐。

師は手で拄杖を三度叩き、禅堂に入って第一位の座についた。


牛下來見、乃問、夫賓主相見、各具威儀。

金牛和尚が入って来て、問うた、主人と客が相見するときは、おのおの礼儀をわきまえるものだ。


上座從何而來、太無禮生。

上座はどこから来たのか知らないが、まったく無礼ではないか、と。


師云、老和尚道什麼。

師は言った、老和尚はなにを言いたいのか、と。


牛擬開口。

金牛和尚は口を開こうとした。


師便打。

師はそこで打った。


牛作倒勢。

金牛和尚は倒れそうな素振りを見せた。


師又打。

師はまた打った。


牛云、今日不著便。

金牛和尚は言った、今日はなんだかうまくいかん、と。


溈山問仰山、此二尊宿、還有勝負也無。

溈山が仰山に問うた、この二尊宿に、さて勝負はあっただろうか、と。


仰山云、勝即總勝、負即總負。

仰山は言った、勝ったとしたらどちらも勝ち、負けたとしたらどちらも負けです、と。


 

金牛和尚は臨済の振る舞いを無礼であると咎めます。

しかし臨済はまったく構いません。

そして、さらになにか言おうとする金牛和尚に一棒を加えます。

溈山に、さてこの二人、どちらが勝ったのだろうかと問われた仰山は答えます。

勝ったとしたらどちらも勝ち、負けたとしたらどちらも負け。

勝ち負けは、この二人の間にあるのではない。

そう仰山は言っているように思えます。


*****


「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。

 

臨済録原文全文リンク

 

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