戦国武将が読んだ「十八史略」って、いつ頃書かれたもの?

2024-08-18

十八史略

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十八史略

十八史略とは

徳川家康をはじめとする戦国武将たちも愛読した「十八史略」。

これは中国の歴史書です。

内容は太古の伝説的な出来事から始まって、歴代の国のことを書いて、最後は元が南宋の支配圏を飲み込むまで。

特に宋(北宋)から南宋の滅亡までが詳しく書かれています。

長い期間の出来事をまとめて書いていますので、それぞれの時代の記述は簡単なものになっています。

中国の歴史を一通り頭に入れたいという時にはとてもよい本です。

十八史略の作者、書かれた時期

この「十八史略」を書いたのは曾先之そうせんしという人です。

書かれたのは元の初期。

南宋の役人だった曾先之が引退した後に執筆したもののようです。

出身は中国の吉水県。盧陵とともに当時は吉州と呼ばれていました。

現在の長沙市の南東にある地域で、現在は吉安市となっている辺りです。

宋を代表する学者欧陽脩や、南宋の滅亡時に王族と行動をともにしていた文天祥らの出身地でもありました。

曾先之は南宋の頃の進士登第者。現代の日本の制度に例えたら、上級国家公務員試験合格者のような感じでしょうか。

曾先之が進士に登第したのは、金を滅ぼしたモンゴル帝国のフビライが燕(北京)に都を移し、南宋征服を目論んでいた頃でした。

南宋は政治の実権を賈似道かじどうが握っていました。賈似道は政治をほしいままにしていましたが、モンゴルの侵攻を防ぐには、ほぼ無力でした。

南宋の末期、モンゴルへの抵抗を最後まで続けたのが、上で紹介した文天祥という人物。

彼はフビライに捕えられた後も何度か降伏を勧められましたが、最後まで拒絶したまま死ぬことを選びました。

中国の歴史書では重要人物として登場する文天祥はまた、「十八史略」の作者曾先之とも手紙のやり取りをしていたようです。

そのためか、「十八史略」の最後の部分、南宋がモンゴルに征服される時期の記述で、文天祥の言動がとても詳しく書かれています。

曾先之の文天祥に対する思いがうかがわれます。

「十八史略」の書籍

中国ではあまり読まれていないようなのですが、日本には「十八史略」の書籍が多数あります。

僕も愛読している書籍を以下に紹介します。

「十八史略」の全体像を理解するのにとてもわかりやすい本です。入門書としてもよいと思います。

もう一冊も抄訳ですが、注が豊富で、読み応えもあります。

これらを手掛かりに、さらに本格的な漢文の原典に読み進めることも可能ですね。


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