こんにちは、暖淡堂です。
「上堂」の最後の部分になります。
ここでは臨済禅の要点が述べられます。
どれも簡潔な言い方になっていますが、理解しやすいものではなりません。
どれも真剣に取り組み、考え抜かないといけないものでしょう。
しかし、ここまで臨済が言っているように、自分本来のあり方を忘れてはいけません。
経典や先師たちの言葉を、豆粒を拾うように読み込んでも臨在の真意は探れません。
まずは臨在の「三句」、「三玄三要」の部分、お読みください。
臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。
上堂。
師が上堂した。
僧問、如何是第一句。
僧が質問した、師の禅の教えで第一句となるものはなんですか、と。
師云、三要印開朱點側、未容擬議主賓分。
師は言った、三要の印を押せば一気に朱色の点や側が現れ、考えなど及ぶ前に主と客とがはっきりと分かれるのだ、と。
問、如何是第二句。
僧が質問した。では第二句はどのようになりますか。
師云、妙解豈容無著問、漚和爭負截流機。
師は言った、無著の問は文殊の妙解には歯も立たなかったが、仮に用いる方便としてならば、水の流れを切る刃ぐらいの働きはしている、と。
問、如何是第三句。
僧が質問した、それでは、第三句とはどのようなものですか、と。
師云、看取棚頭弄傀儡、抽牽都來裡有人。
師が言った、人形の動きは、みな舞台裏にいるものが糸で操っているのだということを見て取れ、と。
師又云、一句語須具三玄門、一玄門須具三要、有權有用。
師はまた言った、一句語には三玄門が備わっており、一玄門には三要が備わっていてこそ有難い効能、効用があるのだ、と。
汝等諸人、作麼生會。
さて、諸君はそれをどのように会得するのか。
下座。
師はそう言って、座を下りた。
「上堂」は臨済録の要点をまとめたものともいえます。
ここで示されているやりとりを繰り返し読むことで、臨済禅のなにがしかを私たちも理解できるかもしれません。
臨済は、ときには喝を、ときには棒を用いて修行僧たちを導き、言葉でも教えようとします。
この後に続く「示衆」でも、臨済は粘り強く修行僧たちに語り続けます。
次回からは「示衆」の現代語訳を読んでいきたいと思います。
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「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。
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