こんにちは、暖淡堂です。
「勘辨」の13回目です。
臨済は杏山に「露地の白牛」について問います。
そこで二人の間ではどのようなやり取りが行われたでしょうか。
臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。
師問杏山、如何是露地白牛。
師が杏山に問うた、露地の白牛とはなんだ、と。
山云、吽吽。
杏山が答えた、モーモー、と。
師云、啞那。
師は言った、話せなくなったか、と。
山云、長老作麼生。
杏山が言った、では長老はどうですか、と
師云、這畜生。
師は言った、こんちくしょうめ、と。
「露地白牛」については、いくつかの解釈がされています。
火事で火が燃え広がりつつある家の中で、子供たちが遊んでいます。
子供たちは火事に気づきません。
火事だ、と言ってもだめです。
長者が「白い牛が引いた車があるぞ」と呼びかけます。
それは子供たちが欲しがっていたものでした。
子供たちはその言葉に誘われるように外に出て助かります。
これは仏教に伝わるお話のようです。
露地とは仏教者が集まって修行をする場所。
白牛とは仏であり、仏教者が求めているもの。
その「露地の白牛」について、杏山は「モー、モー」、臨済は「こんちくしょうめ」と表現します。
祖師や経典の言葉に特別な意味を求めない、臨済の自由な考え方が反映されたやり取りに見えます。
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「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。
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