勘辨(13)「如何是露地白牛」(露地の白牛とはなんだ)「臨済録」より

2023-06-21

古典 臨済録

 

こんにちは、暖淡堂です。

「勘辨」の13回目です。

臨済は杏山に「露地ろじ白牛びゃくご」について問います。

そこで二人の間ではどのようなやり取りが行われたでしょうか。



臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。 

「喝!!」の声が戦乱と混沌の世に響いた 臨済の生きた時代


  

師問杏山、如何是露地白牛。

師が杏山に問うた、露地の白牛とはなんだ、と。


山云、吽吽。

杏山が答えた、モーモー、と。


師云、啞那。

師は言った、話せなくなったか、と。


山云、長老作麼生。

杏山が言った、では長老はどうですか、と


師云、這畜生。

師は言った、こんちくしょうめ、と。


 

「露地白牛」については、いくつかの解釈がされています。

火事で火が燃え広がりつつある家の中で、子供たちが遊んでいます。

子供たちは火事に気づきません。

火事だ、と言ってもだめです。

長者が「白い牛が引いた車があるぞ」と呼びかけます。

それは子供たちが欲しがっていたものでした。

子供たちはその言葉に誘われるように外に出て助かります。

これは仏教に伝わるお話のようです。

露地とは仏教者が集まって修行をする場所。

白牛とは仏であり、仏教者が求めているもの。


その「露地の白牛」について、杏山は「モー、モー」、臨済は「こんちくしょうめ」と表現します。

祖師や経典の言葉に特別な意味を求めない、臨済の自由な考え方が反映されたやり取りに見えます。


*****


「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。

 

臨済録原文全文リンク

 

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