こんにちは、暖淡堂です。
「示衆」の42回目です。
祖師達の言葉や経典の文字を学ぶことで、その先に何かが得られるという修行僧達の思い込みはなかなか解けません。
臨済は言葉を続けます。
臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。
道流、爾欲得作佛、莫隨萬物。
諸君、仏になろうとするなら、万物に引きずられてはいけない。
心生種種法生、心滅種種法滅。
心が生じれば種々の法が生じ、心を無くせば種々の法も無くなる。
一心不生、萬法無咎。
一心が生じなければ、何があっても問題なしだ。
世與出世、無佛無法、亦不現前、亦不曾失。
この世にも出世の先にも、仏無く法なし、それらが現前することもなく、だから失われるということもない。
設有者、皆是名言章句、接引小兒、施設藥病、表顯名句。
あるといっても、それらはみな名や言葉であり、子供を相手に使うもの、病に合わせて処方する薬、宣伝文句に過ぎない。
且名句不自名句、還是爾目前昭昭靈靈、鑒覺聞知照燭底、安一切名句。
その名や言葉というものも自分で勝手に名や言葉になっているのではなく、今そこで目を開いて頭を回転させ、神経を働かせ話を聴きながら自身も世間もその光を照らしている君たちこそが、そんな名や言葉などをつけているのだ。
大德、造五無間業、方得解脫。
諸君、だから五無間業を作ることは、まさに解脱するということなのだ。
祖師達の言葉も、経典に書かれている文字も、みんな病に合わせて処方される薬のようなもの。
それらは方便に過ぎません。
そんなものをこねくり回しても真実など得られないのです。
そんなことをいつまでも続けるよりも、今まさにそこにいて、あれこれと知恵を働かせている、生き生きとしている君たち自身の働きに気づけ。
苦悩の世間を作っている自分たちこそが、世の中の苦悩の原因となっているのだ。
そこを捉えたら、解脱まであと少しだ。
そう臨済は言います。
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「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。
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