勘辨(19)臨済の四喝 「臨済録」より

2023-06-27

古典 臨済録

臨済の四喝

 

こんにちは、暖淡堂です。

「勘辨」の19回目です。

ここでは臨済が四通りの「喝」について話しています。

臨済が一気に四通りの「喝」を示していて、それについての答えを求めます。

緊張感のある場面ですね。

では、四通りの「喝」とは、それぞれどのようなものだと言われているでしょうか。



臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。 

「喝!!」の声が戦乱と混沌の世に響いた 臨済の生きた時代


  

師問僧、有時一喝、如金剛王寶劍。有時一喝、如踞地金毛師子。有時一喝、如探竿影草。有時一喝、不作一喝用。 汝作麼生會。

師は僧に問うた、ある時の一喝は、金剛王の宝剣のようであり、ある時の一喝は、地に足を構える金毛の獅子のようであり、ある時の一喝は、魚をおびき寄せる探竿影草(見せかけの餌)のようであり、ある時の一喝は、まったく役立たずの一喝だ、お前はそれがわかるか、と。


僧擬議。

僧はすぐに答えられなかった。


師便喝。

師はそこで一喝した。



師問一尼、善來惡來。

師が尼僧に問うた、ようこそと言うべきか、なんでわざわざこんなところへ、と言うべきか、と。


尼便喝。

尼僧はそこで一喝した。


師拈棒云、更道更道。

師は棒を持って言った、次はどうなる、さあさあ、と。


尼又喝。

尼僧はまた一喝した。


師便打。

師はそこで打った。


 

臨済が説く四通りの「喝」を整理すると次のようになります。


・金剛王の宝剣:ズバリと本質に切り込むもの

・金毛の獅子:迫力で身の危険を感じさせるもの

・見せかけの餌:チラチラ見せておびき寄せるもの

・役立たずの一喝:ただの大声


臨済はこれらの喝を、状況や相手によって使い分けているということでしょうか。

おそらく、その時々で、発せられた喝は、これらのどれかになるのだ、と言っているように思います。


喝が生きるも死ぬも、相手次第だ、ということではないでしょうか。


*****

 

臨済録原文全文リンク

 

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