勘辨(21)「徑山五百衆、太半分散」(径山にいた五百人の僧たちは、その大半が立ち去ってしまった)「臨済録」より

2023-06-29

古典 臨済録

径山にいた五百人の僧たちは、その大半が立ち去ってしまった

 

こんにちは、暖淡堂です。

「勘辨」の21回目です。

径山きんざん のところに多くの僧(雲水)たちが集まっていることを知った黄檗は、そこに臨済を向かわせます。

径山と顔を合わせた臨済は、そこでどのような振る舞いをするでしょうか。



臨済録の原文全文は以下のリンクからご確認ください。 

「喝!!」の声が戦乱と混沌の世に響いた 臨済の生きた時代


  

徑山有五百衆、少人參請。

径山に五百人の僧たちがいたが、禅の修行をしようとする人は少なかった。


黃檗令師到徑山。

黃檗は師を径山へ行かせることにした。


乃謂師曰、汝到彼作麼生。

そうして師に言った、汝はむこうへ着いたらどうするつもりか、と。


師云、某甲到彼、自有方便。

師は言った、私はむこうへ着いたら、自分なりの工夫があります、と。


師到徑山、裝腰上法堂、見徑山。

師は径山に着き、旅装のまま法堂に上って、径山和尚を見た。


徑山方舉頭、師便喝。

和尚がまさに頭を上げて振り向こうとしたとき、師は一喝した。


徑山擬開口、師拂袖便行。

径山和尚は口を開こうとすると、師は袖を払って出て行った。


尋有僧問徑山、這僧適來有什麼言句、便喝和尚。

一人の僧が径山に尋ねた、先ほどここに来たあの僧とはどんな言葉のやり取りがあって、和尚を一喝して出て行ったのですか、と。


徑山云、這僧從黃檗會裡來。爾要知麼、且問取他。

径山和尚が言った、あの僧は黃檗のところからきたのだ。爾がその意味を知りたければ、そこに行って彼に問うてみるがいい、と。


徑山五百衆、太半分散。

径山にいた五百人の僧たちは、その大半が立ち去ってしまった。


 

径山のもとに着いた臨済は、挨拶もせず、旅装を解くこともなく、振り向こうとする径山に一喝を浴びせます。

径山が一言を発するひまも与えず、臨済はその場から去ってしまいます。

そこでなにが起こったのか。

それを問う僧に径山は答えます。

「あの男に直接聞いてみろ」

それで多くの僧たちは径山のもとを離れます。

その僧たちはどこへ行くのでしょうか。

残った僧たちはどうなっていくのでしょうか。

この部分に書かれていることは、なにかに囚われて滞留している私たちに、行動をうながしているようにも読めます。


*****


「臨済録」現代語訳は、全文の推敲を終えたら関連する地図、臨済の生きた時代の年表などと合わせて書籍にする予定です。

 

臨済録原文全文リンク

 

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